良いお墓とは。その4

うちは以前建てた方のご紹介がほとんどなので、「石屋さんに全てお任せ」と言うケースもあります。その場合も、お施主様のお話をよくうかがいます。お墓の話だけではありません。思い出話から、昨日の出来事まで、様々なお話です。話し込んで、半日お施主様と過ごしてしまうこともあります。

すると、『質の良い石で品のいい、お墓が建てたい』『自分で花を育ててるから、たくさんお花をお供えしたい』『予算は無いけど、拝む石だけでも、地元の石を使いたい』お施主様の思っていることが、何となく伝わってきます。それを踏まえて、いくつかのご提案をします。そうするとお施主様から「ここ、こうしてやぁ~」とか、「予算を考えると、このパターン選ぶのがベストだね」とか、具体的な話になります。お墓のキャッチコピーに『こころを込めた・・・お作りします』とかありますが、『お墓、ああしよう、こうしよう』と、お施主様とご相談することが、まず最初に、お墓に心を込めることだと思っています。お墓の話をしてると、亡くなった方の事が、思い浮かび、お施主様から「うちの亡くなった○○はなぁ~・・・」とか、思い出話を聞くことも、度々です。お施主様は、お亡くなりになった方を思い浮かべて、お話してくださっていますから、頭も心も亡くなった方への思いや、思い出が、お顔から満ち溢れています。石屋の手伝いを始めた頃『思い浮かべることが、供養になるよ』と教えてくださったお寺様がおいでました。『お経を知らなくても、宗教のお題目を気持ちを込めて唱えることで、 お経を読んだのと同じになります』と、教えてくださったお寺様がいます。建てた後、地元のお施主様には、おりにつけお墓参りしていただき、墓所から遠くにお住まいのお施主様には、今年こそはお墓参りに行かなくてはと、思っていただけてこそお墓が、お墓の役目をはたせるのでは、と言う気がします。お墓を建てるのにかかる期間は、早ければ1ヶ月。通常2~3ヶ月もあれば、お墓は建ちますが、お施主様がお墓を守っていかれる年月は永遠なのです。何度も言いますが、『お参りに行きたくなるお墓』『うちが一番と誇れるようなお墓』は、お施主様が、お墓作りに参加して初めて出来上がるのです。

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