よいお墓とは。その5

今回で『良いお墓とは』のお話が、ひと段落となります。ところで、そもそも『悪いお墓』て、あるのでしょうか?結論から言うと、ご先祖様を大切に供養しようと建てるお墓に『悪いお墓』などあるはずが無いと思います。もちろん、雨風にさらされる戸外にありますから、ツヤがとんだり、何かのアクシデントで、石が欠ける事はあります。また、ほんの十数年前までは、お墓の基礎工事など、業界自体が考えていませんでしたから、地盤の沈下や、植えていた木が大きくなり、木の根がお墓を押し上げて、傾いてきたケースは、よく目にします。この仕事に携わっていくうちに『こう考えましょ』『こうすればいいんですよ』とか、新しい発見があれば、またお知らせしたいと思います。それに、目立ちませんが使い勝手の良いように、少しづつですが、お墓も変わりつつあります。

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花立ひとつとっても、昔は石に穴を開けただけだったのが、グレーの樹脂の花筒(写真左)ができ、その後つば無しのステンレスの花筒が多く用いられようになりました。そして、現在はステンレスのつば付き花筒(写真右)が主流になりつつあります。(使ってみるとつば付きの方が、水の量が多少増え、お花の持ちも少しは良いようです)このように、少しづつではありますが、お墓も使い勝手の良いように、変わって来ています。製品の精度も手仕事だった時代と比べると、格段に高くなっていますし、クレーン等の重機も使うので、昔よりお墓の建前にかかる時間も短縮できています。でも、気持ちや、こころと言う精神的な事は、ず~と変わらず、昔も今も、同じ思いをお施主様はお持ちなのだと思います。お墓を建てるお手伝いをする時、50年、いえ100年後も、ここでこのまま無事にお墓としての役目を果せるには、うちは、どういう仕事をすればいいかを、まず考えます。そして、お墓が完成した時、「あぁ~、良かった。」「うちのお墓が、一番ええなぁ~」とお施主さまに、おっしゃっていただくと、少しはお役に立てたかな!?とか嬉しくなります。完成したお墓をはじめて見た時、『お施主様に感動を持って受け入れていただけるお墓』これが、うちが目指しているお墓なので、同じケースが、一つとして無いので、とっても、奥が深いのです。私たちが石の仕事から卒業できるのは、大往生する時かな?と、今ふと思ってしまいました。(笑)

コメント

  1. 鹿野 より:

    はじめまして、栃木で石材店をやっている鹿野といいます。ネットサーフィンをしていたらこのブログにたどり着きました。香川の方へは以前展示会のときにお邪魔させていただきました。まだまだ半人前、日々怒られてばかりの毎日です。とても共感できる意見でしたのでコメントさせていただきました。

  2. しわく より:

    お返事、遅くなりごめんなさい。ご賛同いただき、ありがたく思っています。おそらく、鍵コメさんより私の方がずい分と年上だと思いますが、まだまだ半人前で、人に助けてもらってばかりです。(汗)私は、結婚するまで石とは無縁の暮らしをしてましたので、石の業界の先人が到達した所に、私などは、生きているうちにはとても行けそうにありません。願わくば、石と関わるものとして必要なぶれない立ち位置を、お互い見つけ出せるといいですね。

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