お墓の寸法

今朝、お墓のご相談のお施主様の所に伺ったのですが、先日、四十九日を済まされたばかりのお施主様はかなりお疲れのご様子だったので、ご一緒していただかずに、墓地の場所を教えてもらい、墓所を拝見させていただきました。香川はお墓の寸法は九寸・尺角と呼ばれる大きさが主流なのですが、その墓地も一番多い寸法が九寸、後は八寸から尺一寸と、様々な大きさのお墓が建っていました。お墓の寸法は、真石の幅の大きさで、九寸(約27cm)とか尺角(約30cm)とか呼びあらわすのですが、高さはお店によって様々です。お施主様の墓所の並びに、尺角三重台と呼ばれる寸法が、2基建っていたのですが、一方の背の高さは172cm、もう一方は154cmと、18cmほどの高さの違いがありました。この18cmの差は下回りの台石の高さによって生じます。お施主様は、ほとんどご存じないと思うのですが、石材店は、お店によって同じ尺角でも、(真石はほぼ同じ大きさなのですが)台回りの石の寸法に、かなり違があります。なぜ、お店によって違うかというと、昔の石屋さんは、原石で仕入れたものを自分の工場で自ら製品にしていたので、各お店がこれがお進めという、こだわりの形やサイズが徐々に出来てきたのだと思います。ウチの卸のお得意様も、微妙に寸法が違いますから、基本の寸法はあっても、お店独自のこだわりは、今もなお生きている気がします。台回りの石の角(かく)が小さかったり、高さが低かったりするとどうしても、ヒョロ高い感じがします。末代まで堂々としていて欲しいという思いがあるので、下回りの石の高さも台の角も地域の石材店のなかでも、ウチは大きい寸法を使っていると思います。ただ、高ければ良い、大きければいいと言うわけではなく、全体のバランスが良いお墓が一番美しいと思うので、墓地の広さにより、基本の寸法を建てられないとき、建てたときをイメージしつつ全体のバランスを考え、寸法を変えていきます。『この石は庵治で、こちらは青木』と分からなくても、バランスのとれた美しい姿のお墓は見ると分かります。お墓の寸法を決めるとき、迷いがあるなら、ご自分の墓所に行かれて、周辺にどの程度の大きさのお墓が、建てられているか見て、一番良いと思ったお墓の寸法で建てるというのも、一つの方法かもしれませんね。

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